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「負け犬」「自己責任」。言葉の独り歩き [∴society]

「早く結婚したい」新成人の早婚願望高まる(産経新聞)

日、1月10日は成人式。式典とは名ばかりで、結局は同窓の友人などに再会するための理由付けになっているだけかもしれない。
結婚情報会社の調査した結果によると、今年新成人を迎えた女性が早期結婚・出産願望への傾向にあるようだ。元々、晩婚化傾向にあったのは「都市部」のみ話。
ここで気になるのは、早婚願望が高まった要因として、「負け犬」という一つの言葉が挙げられていることだ。

負け犬の遠吠え 酒井順子著「負け犬の遠吠え」。
「30代・未婚・子なしの女性は負けている」と、別に人生は勝ち負けではないのに、言葉にせずとも見下そうとする者がいる。それなら、始めから負けを認めてしまって、「私は負け犬です」と自虐的に割り切ってしまえば、どれほど楽で仕事も頑張れるか。

 

「世間の評価に流されず、己を貫く」という非常にかっこいいニュアンスを持つ言葉だと思う。それが今回の調査結果のように、新成人が「負け犬」という言葉の持つイメージだけで、早婚願望に傾いているならそれこそ重大な事実である。

イメージだけで、身の振り方を変えてしまうことが本当の意味で“負け”たことになるのではないだろうか。

このように言葉の持つイメージが独り歩きした例は今回だけではないと思う。

イラクで日本人3人が武装勢力に捕らえられた人質事件が発生した際、「自衛隊を引き上げろ」という論が一部でなされた。それに対して、「彼ら『個』の意思で、退避勧告の出ていた危険なイラクに踏み込んだというのに、その責任を『公』である政府・自衛隊に求めるのはおかしいのではないか」という反対派の意見が出た。
そこで展開された「自己責任」という言葉が独り歩きして、勝手に行ったのだから「悪」とボランティア精神で勇気を持ってイラクに行ったことが、一方的に非難されてしまった。

強いイメージを持っている言葉は、わかりやすいという利点もあるが、それ故にイメージのみで判断してしまいがちになる。だからこそ、その言葉の奥にある本質的な意味を理解しなければならないと思う。


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hitode

リンクの記事は私もあれっと思いました。
ブログを眺めていても「負け犬」になりたくないという記事が多いみたいですね。
それだけ多くの人の痛いところをついたからこそ、これだけのブームにもなったのでしょうけれど。
「負け犬の遠吠え」、読んで欲しいなあ。エスプリきいてていい本なのに。
by hitode (2005-01-09 19:16) 

幸

nice!・コメントありがとうございます。
世間で以前から「負け犬論争」と騒がれていたものの、私自身もこの本を読んだことがなかったので、概要を知ったときに本当の意味を理解しました。今度、ゆっくりと本を読んでみることにします。
by (2005-01-09 19:46) 

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